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森を守る

森林浴、森林セラピー、グランピング、ツリーアドベンチャーなど、森に対する関心が高まっていますが、一方で、今、日本の森は深刻な問題をかかえています。

戦後の拡大造林政策で、全国の森に杉、ヒノキなどが植林されました。このような木は50年から60年かけて育てられます。その間、間伐、下草取り、枝打ちなど、毎年手間暇をかけて大切に育てていきます。今、成長した木が利用できる段階になっています。 しかし、安価な輸入木材の輸入自由化、エネルギー源が炭から石油に変ったこと、円高の影響で、日本の木材価格は下落し、今では、50年かけて育てた杉1本の価格がわずか800円ほどになっています。林業は採算性が合わないため、従事者が減り、高齢化、後継者不足、山村の過疎化、相続を契機に山林の放棄が進み、森を守る人が激減しています。 放置された森林では、細くて節の多い商品価値の低い木しか育ちません。木が密集し、根が浅いため、保水力が乏しく、大雨が降ると、山が崩れ、土砂災害につながります。生物の多様性が乏しく、植物、昆虫、鳥などの種類も限られています。

このような問題を改善し、日本の森を守っていう活動は、NPOを中心に日本各地で行われるようになり、企業もCSR活動の一環として助成する動きがあります。 「おおづ森の守り人」も熊本県大津町でそのような活動をすすめている団体です。まず、山主さんを訪問し、所有する森の整備を提案します。活動に賛同された山主さんの山に入り、間伐、下草取りなどの作業を行い、間伐した木は市場に流し、現金化します。しかし、先にも述べたとおり、木材価格は安く、作業に見合う収入は得られません。

そこで、森林の付加価値を高め、地域の人も巻き込んだ活動ができないかと考え、今回の森林体験の企画が提案されました。

この企画は、地域の親子が参加できるものとして募集し

①森のことを勉強し ②森に入って森林浴を楽しみ ③間伐作業を体験し ④枝葉を採取し ⑤森の中でランチを楽しみ ⑥採取した枝葉を蒸留して芳香蒸留水と精油を作り ⑦それらを使って、化粧水、クリーム、虫よけスプレーを作る

といった盛りだくさんな内容でした。 参加者の方も、主催者の方もとても楽しんでいただき、充実した企画だったと思います。

この企画を進めるにあたって、LSアカデミーから、私と、宮崎、熊本でアロマ教室をされていの先生の3名が協力させていただきました。 主催者の方と森林資源の活用につい話し合った中で、いくつかアイデアが出てきましたので、以下にまとめてみました。

(1)山主さんにとって負債となっている森林も、活用すれば宝の山になる (2)間伐材から精油の原料になる、ヒノキの枝葉、木材チップは豊富に採取できる (3)大型の蒸留器を使えば、実用的にヒノキ精油を作ることができる。 (4)熊本震災の後、地元で普及しているロケットストーブは、わずかな枝葉があれば効率的に火を起こせ、大型の蒸留器の熱源になる。つまり、材料費無料でヒノキ精油と芳香蒸留水を作ることができる。 (5)地元で作ったヒノキ精油や芳香蒸留水などは、商品化して地元の道の駅などで販売できる。 (6)同様に、ヒノキ間伐材を利用した、ヒノキチップの枕、ヒノキチップを袋に詰めたヒノキ風呂のもと、コースター、ヒノキのパズルや積み木、ヒノキ芳香グッズ(におい袋など)のオリジナル製品を開発して道の駅やネットで販売する。 (7)和の香りブームに対応して、全国のアロマ教室や石けん教室に、原料であるヒノキの枝葉やチップを販売する。 (8)今回企画した内容を参考に、定期的に「きこり体験」「森のアロマ体験」「ヒノキ精油作り」「間伐材を使ったクラフト」「森林セラピーや森林ヨガ」「ネイチャーゲーム」などを企画し、地元だけでなく都市部からも人を集める。 (9)地元のアロマや自然に興味ある人が定期的に集まれる場所を提供して、上記のような活動を根付かせる。

LSアカデミーは、今後ともこのような活動をされている個人、団体と協力して、生産者(山主さん)、活用者(アロマ教室、クラフト教室、事業者)、消費者(生徒さんや一般消費者)をつなぎ、

森を守る活動のお手伝いができればと考えています。

参考: 森林・林業学習館 http://www.shinrin-ringyou.com/ おおづ森の守り人 http://ozumamori.cocolog-nifty.com/

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