キンモクセイのカプセル蒸留

日本の秋を代表する花、キンモクセイ。この時期になると、街のあちこちから、あの甘い香りが漂ってきます。 キンモクセイの香りを蒸留して残したい。何年も前から考えていました。キンモクセイの花をいっぱい集めて、水蒸気蒸留をやってみました。でも、できた芳香蒸留水は、キンモクセイの香りとはほど遠いものでした。 キンモクセイのようなデリケートな香りは、水蒸気蒸留という高温の条件では分解してしまい、元の香りを再現できません。だから、キンモクセイの精油は売られていません。ちなみに、市販のキンモクセイの芳香剤はすべて合成です。 カプセル蒸留は、簡単に減圧水蒸気蒸留ができる装置です。これを使えば、低温で空気のない条件で蒸留するので、キンモクセイの香りもそのままでとれるはずです。 今まで、水仙、蝋梅、梅、桜、クチナシなど、水蒸気蒸留では難しかった花も、そのままの香りが抽出できています。キンモクセイもうまくいくはず。 結果は・・・今までで最高の香りの芳香蒸留水がとれました。カプセル蒸留はキンモクセイにも有効であることがわかりました。 皆さんも、この秋、キンモクセイの甘い香りの蒸留に、ぜひ挑戦してみてください。

森を守る

森林浴、森林セラピー、グランピング、ツリーアドベンチャーなど、森に対する関心が高まっていますが、一方で、今、日本の森は深刻な問題をかかえています。 戦後の拡大造林政策で、全国の森に杉、ヒノキなどが植林されました。このような木は50年から60年かけて育てられます。その間、間伐、下草取り、枝打ちなど、毎年手間暇をかけて大切に育てていきます。今、成長した木が利用できる段階になっています。 しかし、安価な輸入木材の輸入自由化、エネルギー源が炭から石油に変ったこと、円高の影響で、日本の木材価格は下落し、今では、50年かけて育てた杉1本の価格がわずか800円ほどになっています。林業は採算性が合わないため、従事者が減り、高齢化、後継者不足、山村の過疎化、相続を契機に山林の放棄が進み、森を守る人が激減しています。 放置された森林では、細くて節の多い商品価値の低い木しか育ちません。木が密集し、根が浅いため、保水力が乏しく、大雨が降ると、山が崩れ、土砂災害につながります。生物の多様性が乏しく、植物、昆虫、鳥などの種類も限られています。 このような問題を改善し、日本の森を守っていう活動は、NPOを中心に日本各地で行われるようになり、企業もCSR活動の一環として助成する動きがあります。 「おおづ森の守り人」も熊本県大津町でそのような活動をすすめている団体です。まず、山主さんを訪問し、所有する森の整備を提案します。活動に賛同された山主さんの山に入り、間伐、下草取りなどの作業を行い、間伐した木は市場に流し、現金化します。しかし、先にも述べたとおり、木材価格は安く、作業に見合う収入は得られません。 そ

疑似科学(ニセ科学)の見分け方

一見科学的に見えても、実はニセ科学である情報が世の中にあふれています。 明治大学コミュニケーション研究所が管理するサイトでは、そのような疑似化学の正体を科学的視点で検証しています。 疑似科学とされるものの科学性評定サイト http://www.sciencecomlabo.jp/index.html ブルーベリーエキス、グルコサミン、ホメオパシー、デトックス、活性水素、マイナスイオン、EM菌などは疑似科学であると評価されています。 なぜそのような判断がされるのか? 科学的に検証するとはどのような手順なのか? を考えてみてください。

香り抽出方法の使い分け

LSアカデミーは、様々な香りを抽出する方法をお教えしていますが、それぞれの方法の特長と使い分けを解説します。 【水蒸気蒸留】 難易度 ★★ 取れるもの  芳香蒸留水(100mL~1000mL)/精油(材料と仕込み量で取れるものがあります) ハーブ等必要量 50g~5kg(鍋のサイズは3リットルから36リットルまであります) 応用  化粧水、アロマスプレー。精油が取れるものはアロマテラピー、香水、ディフューザー、クリーム、石けんなど 特長  市販されているほとんどの精油はこの方法で作られています。LSアカデミーの方法は、圧力鍋を使って、家庭で簡単に蒸留ができます。鍋の大きさを変えることで、少量から大量まで対応でき、材料を多くすると精油を取ることもできます。熱がかかるので、材料は比較的熱に強いものに限られます。 【カプセル蒸留】減圧蒸留/減圧水蒸気蒸留 難易度 ★ 取れるもの  芳香蒸留水(100mL~200mL)/精油(ラベンダーや柑橘類など一部の材料) ハーブ等必要量 10g~200g。ハーブだけでなく、生花、果実など香りのある物なら何でも蒸留できます。 応用  化粧水、アロマスプレー、クリーム用の芳香蒸留水、食品や飲料水への香り付け、ドレッシング 特長  減圧で熱をかけずに抽出できるので、水蒸気蒸留では難しい水仙、梅、桜、ネロリ、バラなどの香りそのものを抽出できます。完全密閉系で蒸留するので、トップノートも100%回収でき、鮮烈な印象の香りを持つ最高品質の芳香蒸留水を作ることができます。水蒸気蒸留に比べて、取れる芳香蒸留水の量は少ないですが、庭に咲いた花、

毒のある花

4月から5月にかけて、一斉に花が咲き乱れ、華やかな季節になります。  この時期、町中の植木や公園で鮮やかな黄色の花を咲かせるカロライナジャスミン。ジャスミンという名前のとおり甘い香りを漂わせる花なので、香りを楽しみたいと思って、つみ取ってお部屋に飾ったり、ジャスミンティーにしたり、チンキにしてみようと考えたりしますが、ちょっと待ってください。カロライナジャスミンを調べてみると、この花は毒を持っていることがわかります。  厚生労働省が、毒のある植物をまとめています。 http://www.mhlw.go.jp/…/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/pois…  カロライナジャスミンは、ジャスミンとは異なる植物でゲルセミシンなどの毒を持っていて、誤飲事故の報告があります。  植物には、虫などに食べられないように動物にとって毒になる成分を含むものが多くあります。このカロライナジャスミン以外にも、アジサイ、イヌサフラン、シャクナゲ、スイセン、スノーフレーク、ユウガオ、スズラン、スイートピー、バイケイソウ、チョウセンアサガオ、アセビ、シキミ、キョウチクトウなどに毒が含まれています。  身近な花にも毒があるのは驚きですね。もっとも中毒の報告は主に、間違って食べたり、ハーブティーのように飲んだりしたときのことなので、花の香りを楽しむていどでは安心です。  しかし、成分を抽出するときは注意が必要です。 チンキ:アルコールは植物毒の主成分であるアルカロイドを溶かして抽出するので、チンキには毒物が濃縮されます。毒のある植物をアルコールで抽出するの

真空技術で広がる世界

真空と聞くと、なんだか難しくて科学屋さんの世界の話のように思えますが、実は身近に真空を使ったものは多くあります。 ・魔法瓶 二重構造の瓶の内部を真空にして、熱が伝わりにくくしています ・フリーズドライ 乾燥野菜、フルーツ、インスタントコーヒー、乾麺などに利用されています ・真空パック 空気と触れないので食品が長持ちします ・真空炊飯器 お米を真空にすることで、空気が抜けて、水が浸透しやすくなり、早く炊飯できます ・卵のパックやブラスチック製品の成型 ・化粧品や食品の容器への充填 ・石油を減圧蒸留して、ガソリン、灯油、航空機燃料を作る ・ソーラーパネル、テレビやスマホの液晶、宝飾品のメッキなどにも使われています 真空技術の特長は、 (1)空気に触れないので酸化しにくい、雑菌が繁殖しにくい(フリーズドライ、真空パック) (2)空気が抜けて、水や油がしみこみやすくなる(真空炊飯器、レトルト食品) (3)沸点が低くなり、水が蒸発しやすくなる(フリーズドライ、石油の蒸留、メッキ) などです。 LSアカデミーも、早くから真空技術に目を付け、ハーブの抽出や蒸留に応用し、誰でも使えるような形にしてセミナーでお教えしています。 【ハーブ真空抽出(HVE)】  真空技術の基礎から始めて、まず真空保存容器の使い方を学びます。この容器があれば、食品や飲料、フレッシュハーブなどを真空で長期間保存できます。HVEは容器を真空状態にしてハーブを抽出するので、ドライハーブに含まれる空気が抜けて、オイルが内部まで浸透し、効率的にハーブ成分を抽出できます。また、エタノールの除去は減圧蒸留

カプセル蒸留でできること

【 花 】 花のデリケートな香りは、従来の水蒸気蒸留では熱や酸素で分解されるので、抽出が難しかったのですが、カプセル蒸留の減圧水蒸気蒸留モードは、低温で空気がほとんどない状態で蒸留するので、花の香りそのものの芳香蒸留水を作ることができます。完全密閉状態で蒸留するので、少しの花からも無駄なく香りがとり出せます。季節ごとに咲く花の香りを化粧水や芳香剤として利用することができます。 水仙、蝋梅、梅、ミモザ、桜、ライラック、ジャスミン、ネロリ、スズラン、ヒヤシンス、クチナシ、バラ、ハマナス、ラベンダー、ユリ、キンモクセイ 【 柑橘類 】  柑橘類は、実はもっとも蒸留しやすい材料です。精油は皮に含まれるので、食べた後の皮を冷凍しておき、ある程度の量がたまったら、フードプロセッサーなどで細かく砕いて、カプセル蒸留の減圧水蒸気蒸留モードで蒸留してみてください。通常の水蒸気蒸留では失われやすい鮮烈な香りのトップノートも、完全密閉のカプセル蒸留では回収率100%!最高の香りの芳香蒸留水とエッセンシャルオイルがとれます。  また、カプセル蒸留の減圧蒸留モードを使えば、柑橘類を果肉も含めて丸ごと粉砕したペーストのみ(水を1滴も加えないで)で蒸留でき、果実100%の芳香蒸留水を作ることができます。これは、今まで経験したことのない鮮烈な香りの芳香蒸留水です。  カプセル蒸留で作った芳香蒸留水やエッセンシャルオイルには、光毒性のあるフロクマリンは含まれないので、化粧水やクリーム作りに使えます。 ダイダイ、ベルガモット、ぼんたん、柚子、みかん、カボス、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、マンダリ

トランス脂肪酸問題のまとめ

トランス脂肪酸が冠動脈疾患のリスクを高めるとして、WHOは総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることを勧告しています。それを受ける形で、米国FDAは、トランス脂肪酸を食品に用いることを禁止することを決定しました。 日本でも、食品安全委員会、農水省がトランス脂肪酸問題のまとめを発表しています。 ○農水省 トランス脂肪酸 http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/index.html ○食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価の状況について(食品安全委員会)  http://www.fsc.go.jp/osirase/trans_fat.html ○科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1932?page=1 トランス脂肪酸は、週刊誌などに「狂った油」「食べるプラスチック」などと酷評され、今でもネット上では毒物扱いする記事も多くみられます。しかし、日本でのトランス脂肪酸問題は、少し複雑です。 クッキーなどを焼くときに、植物油だけだとべたべたしたものになり、バターなどの固形の油を使うとカラッと仕上がります。しかし、バターは高価で、生産量も限られるため、何とか安価な植物油を使って、バターのような油が作られないかと考えて作られたのが水素添加油脂です。 植物性油脂に高温高圧で水素を反応させると、油脂に含まれる不飽和脂肪酸に水素が入ります。 リノール酸 + 水素 → オレイン酸   オレイン酸 + 水素 → ステアリン酸 といった具合です

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