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生姜をとことん利用する

カプセル蒸留 x FSE x HVE  生姜をとことん利用する

生姜は紀元前から香辛料として世界中で使われています。日本でも魚料理、豆腐料理、甘酢浸け(ガリ)など多くの料理に使われており、生薬としての実績も多く、その有効性は説明する必要もありません。

今回は、生姜の特長をとことん生かすための実験を行いました。

まず、生姜を薄切りにした後、フードプロセッサーで細かくし、そのままカプセル蒸留します。生姜に含まれる水分は90%以上なので、カプセル蒸留なら水を加えないでも蒸留できます。

できた芳香蒸留水は、生姜100%からとれたもので、これ以上ないほど濃厚な生姜の香りが漂い、表面には精油が浮いています。新鮮ならこのままでもいろいろ利用できそうですが、やはり水なので腐敗が心配です。生姜には食中毒原因菌の殺菌作用はありません。冷蔵庫で生姜にカビが生えるのはみなさん経験していると思います。

そこで、生姜芳香蒸留水をFSE法で濃縮しました。FSE法は、芳香蒸留水を原料にして、わずか10分でフレーバー(エタノール溶液)を作る方法です。できた生姜フレーバーは腐ることもなく長期間利用できます。生姜200gが生姜FSEフレーバー2mLに濃縮されます。つまり、生姜の香りは100倍に濃縮されています。わずか1滴の生姜FSEフレーバーの中に5gの生姜の香りが濃縮されています。

生姜FSEフレーバーの応用範囲は広く、炭酸水に1滴加えるだけでジンジャエール、紅茶に一滴加えるだけでジンジャーティー、ドレッシングの香り付け、魚料理の臭い消しなどアイデア次第です。

生姜芳香蒸留水は濃厚な生姜の香りがしますが、なめてみても辛くありません。生姜の香り成分はジンギベレン、クルクメン、テルピネオールなどで、辛み成分であるジンゲロールやショウガオールは蒸留されずに生姜本体に残っています。

つまり、芳香蒸留水は生姜の香りを楽しむもので、栄養としての生姜は蒸留されないということです。

では、生姜の栄養として有効な辛み成分を抽出するにはどうすればいいのでしょうか。

カプセル蒸留を終わると、使った生姜の水分はほとんど蒸留されているので、おから状の生姜が残ります。栄養は、ここに濃縮されています。そこで、この生姜をキッチンペーパーに広げて乾燥させるときれいな生姜パウダーができます。乾燥しているので、きちんと保存すれば長く使えます。

通常の水蒸気蒸留では、高温で空気に触れながら蒸留するので、生姜の栄養分は分解したり、流れ出したりして失われてしまいますが、カプセル蒸留は、減圧(空気がほとんどない状態)、低温で蒸留するので、栄養分はほとんど分解しないで残ります。

この栄養たっぷりの生姜パウダーも使い道は多くあります。小さじ半分くらいのをはちみつと一緒にお湯にとかし、生姜FSEフレーバーを1滴加えると、生姜をすりおろすことなく、いつでも新鮮な生姜湯を楽しめます。魚の煮物、豚肉の生姜焼きなどにも使えます。少しの水で練れば練り生姜です。

さらに、生姜の有効成分を抽出してみます。もちろん使う方法は、真空抽出法(HVE)です。ジンゲロールやショウガオールは水に溶けないので、HVEオイルにはしっかり抽出されます。真空抽出法なので、分解することなく、濃厚な生姜抽出オイルができました。

オイルの利用法も様々ですが、やはり栄養成分を有効に取るために、あまり熱をかけない調理方法がいいのではないかと思います。たとえばドレッシングに加える、焼き魚や煮魚に、食べる前にかけるなどです。

カプセル蒸留 x FSE x HVE で生姜のもつパワーをとことん生かしてください。

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